潰瘍性大腸炎(UC)の治療法は近年、生物学的製剤などの新しい選択肢が次々と登場し、大きな進歩を遂げています。しかし、既存の治療薬で効果が不十分な方、あるいは注射や高額な費用負担に悩む患者さんにとって、さらに安心できる選択肢が求められています。そんな中、これまで一部の患者さんの間で高い関心を集めてきた漢方生薬の青黛(せいたい)について、国内の主要な大学病院がその安全性と有効性を客観的に評価する臨床研究を本格化させているというニュースが注目を集めています。
青黛は医薬品として正式に認可されている物質ではありませんが、一部の患者さんの間では劇的な効果が報告されており、その科学的な裏付けが待たれていました。この研究の進展は、難治性のUC患者さんに対し、従来の治療とは異なるメカニズムを持つ新たな治療法が確立されるかもしれないという、大きな希望をもたらします。
この記事を読むことで、以下の3点について理解が深まります。
- 青黛に関する最新の臨床研究(治験)の内容と、それが目指す目標。
- 青黛が将来的に正式な治療薬となった場合、患者さんの生活と既存治療にどのようなインパクトがあるのか。
- この情報に過度な期待をせず、冷静に状況を判断するために必要な注意点。
今回のニュースで押さえるべきポイント
これまで限られた情報しかなかった青黛について、国内の複数の大学病院が協力して、科学的な根拠を確立するための研究を進めていることが最大の進展です。
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複数の大学病院による共同研究
慶應義塾大学、大阪大学、東京慈恵会医科大学附属柏病院など、複数の機関が青黛の安全性および臨床的有用性に関する研究を立ち上げています。これは、単一の病院のデータではなく、より広範な患者さんを対象とした客観的な評価を目指していることを示しています。
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研究の焦点は「安全性」と「有効性」の客観的評価
研究の主な目的は、活動期にある潰瘍性大腸炎の患者さんに対して、青黛が症状を改善させる効果(有効性)があるか、また重篤な副作用(安全性)がないかを、科学的な手法で調べることです。特に東京慈恵会医科大学では、プラセボ(偽薬)を対象とした二重盲検試験という、最も信頼性の高い研究デザインを採用しており、その結果が待たれます。
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兵庫医科大学病院でも臨床研究を実施
過去には、兵庫医科大学病院でも2023年3月31日まで、青黛の有効性と副作用に関する臨床研究が進行していました。このように、複数の医療機関が独立して青黛の可能性を探っている事実は、医学界全体がこの生薬に注目し始めていることの表れと言えます。
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期待される対象者層と効果
治験の対象は主に活動期のUC患者さんです。これまでの非公式なデータや筆者の個人的な経験では、青黛の服用により、従来の薬が効きにくかった患者さんでも劇的に症状が改善し、70〜80%という高い寛解率が示された報告もあります。もしこの効果が科学的に立証されれば、約20万人と推定される国内のUC患者さんにとって、費用や副作用の面で大きな利点を持つ新たな治療の柱となる可能性があります。

治療の現場と患者さんの生活に与えるインパクト
青黛の治験情報は、単なる新薬候補の話題にとどまらず、UC治療全体のパラダイムを変化させる可能性を秘めています。指定難病であるUC患者さんの生活や、医療資源の活用に大きな影響を与えることが期待されます。
患者視点:日常生活(食事、仕事、トイレの不安)へのプラス面とマイナス面
既存の治療法には、効果が出るまでに時間がかかる、あるいはステロイドや免疫抑制薬、生物学的製剤などの副作用のリスクが伴うという課題があります。特に、注射によるバイオ製剤は費用も高額になりがちです。青黛が正式に認可されれば、これらの既存治療に代わる、あるいは併用できる天然物由来の経口薬という新しい選択肢が増え、患者さんが感じる精神的な安心感(エンプランシー)は計り知れないものになるでしょう。
また、青黛は経口で服用できるため、通院の頻度や高額な注射の負担を軽減できる可能性があります。これにより、仕事や旅行といった日常生活における「治療の制約」が減り、QOL(生活の質)の向上に繋がります。
筆者自信は、青黛(セイタイン)という生薬を服用して、潰瘍性大腸炎の症状を抑えることができている。粉末は飲みにくかったが、錠剤化されてからは携帯しやすくなり、再燃の兆しがあるときに予防的に飲むことで、ほぼ良好な状態を保てている。あくまでも認可されている薬や生薬ではないので、利用する際は、できれば医師に相談した上で、自己責任で利用してほしい。
医療者視点:既存薬(5-ASA、バイオ製剤等)との使い分けの可能性
現在、UC治療の現場では、5-ASA製剤(ペンタサ、アサコールなど)や、より強力な免疫抑制薬、バイオ製剤(エンタイビオなど)を症状に応じて使い分ける「ステップアップ治療」が一般的です。しかし、青黛の有効性が科学的に立証された場合、既存の治療ガイドラインに組み込まれることで、難治性患者に対する早期の寛解導入薬、あるいは費用対効果の高い維持療法薬として位置づけられる可能性があります。これは、高額な先進治療薬の費用対効果を最大化し、医療資源を真に必要とする患者さんに集中させるための、新しい戦略的な治療選択肢を提供することになります。
社会・未来視点:このニュースが今後のUC治療のトレンドをどう変えるか
国内のUC患者数は、難病指定の基準変更により一時的に減少したものの、依然として約20万人と推定され、指定難病の中で最多です。食生活の欧米化などにより増加傾向が続いているとも言われています。青黛が天然物由来の成分であることから、もし医薬品として確立されれば、他の天然由来成分や食品(柿タンニン、昆布、ワカメなど)による抗炎症作用の研究をさらに加速させるでしょう。UC治療は、今、新しい経口薬(リサンキズマブなど)の登場や、AIによる診断・予測など、「個別化治療」(精密医療)へと急速にシフトしており、青黛はその多様な治療オプションの一つとなることが期待されます。
- 期待できること:
- 既存薬で効果不十分な患者への強力な選択肢の増加。
- 天然物由来成分による治療法が確立されることによる、患者さんの心理的負担の軽減。
- 治療の選択肢が多様化することで、患者さんのライフスタイルに合わせた治療計画を立てやすくなること。
- 現時点では不明なこと:
- 治験の最終的な結果と、医薬品としての承認までの具体的な時期。
- 有効成分(青黛)がどの程度の割合で、どの程度の重症度の副作用を引き起こすのかの客観的なデータ。
- 青黛が、長期寛解維持において、大腸がんリスクをどの程度低減できるかという長期的なデータ。
この情報の正確性
青黛に関する臨床研究の進展は、信頼性の高い情報源に基づいています。
- 研究デザイン:大学病院が主導する臨床研究であり、特に東京慈恵会医科大学では、治療効果を最も客観的に評価できる多施設共同プラセボ対象二重盲検試験が計画・実施されています。これは、科学的根拠(エビデンス)としては非常に高いレベルのデータを提供することが期待されます。
- 対象者:活動期の潰瘍性大腸炎患者が対象であり、青黛の安全性と有効性の探索的検討が行われています。
- 一次情報の透明性:治験情報は、専門のブログ(「草はみの潰瘍性大腸炎・クローン病最新情報」)を介して広く患者層に共有されています。
これらの事実は、青黛の医学的な評価が非公式な情報レベルから、正式な臨床データ収集の段階へと移行していることを示しています。ただし、これらの研究はまだ途中段階または結果待ちのものが多く、青黛が正式に医薬品として承認されるためには、さらなる大規模な臨床試験を経て、国による厳格な審査が必要となります。
現時点では、個々の患者さんへの適応は主治医の判断が必要であり、研究結果を待つことが重要です。
誤解を防ぐための注意点
治験情報が希望をもたらす一方で、青黛の利用には慎重な姿勢が必要です。特に、現在の治療を自己判断で中断したり、未認可の状態で個人輸入して利用したりすることは、危険を伴います。
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青黛には副作用のリスクも報告されています
青黛の一般的な副作用として、肺動脈性肺高血圧症、腸炎、腸重積、肝障害などが報告されています。どの程度の割合でどの程度の重症度が発生するのかはまだ確定していませんが、重篤な副作用の可能性はゼロではありません。効果が高いからといって、認可された医薬品と同様に安全であるとは限りません。
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自己判断による治療中止は厳禁です
現在、寛解を維持できている場合でも、主治医に相談なく、処方されている薬(5-ASA、ステロイド、バイオ製剤など)を自己判断で減量したり中止したりすることは、症状の再燃や悪性腫瘍(大腸がん)リスクを高めることにつながります。治療方針は必ず、専門医と連携を取りながら決定してください。
筆者自信は、青黛(セイタイン)という生薬を服用して、潰瘍性大腸炎の症状を抑えることができている。あくまでも認可されている薬や生薬ではないので、利用する際は、できれば医師に相談した上で、ご自身の体調を注意深く観察しながら、自己責任で利用してほしい。
Q&A
Q. 青黛は、既存薬が効かない場合に試すべきでしょうか?
A. 青黛は高い有効性を示す可能性が示唆されていますが、現在の日本では医薬品として認可されていません。既存の治療法で効果が不十分な場合、まずは保険診療内で認可されている新しい治療薬(JAK阻害薬、S1Pモジュレーター、IL-12/23阻害薬など)を主治医と相談することが推奨されます。青黛の治験結果を待つか、または青黛の使用を検討する際は、その副作用リスクを理解し、必ず専門医に相談した上で、慎重に判断することが重要です。

まとめとアクションプラン
漢方生薬「青黛」に関する国内での臨床研究の本格化は、UC患者さんにとって大きな希望となる一歩です。このニュースの重要な要点を改めて確認しましょう。
- 国内の複数の大学病院が青黛の安全性と有効性を、信頼性の高い方法で検証しています。
- 既存薬で十分な効果が得られない難治性の患者さんにとって、天然物由来の新たな治療選択肢が生まれる可能性があります。
- ただし、青黛は現時点では未認可であり、副作用の報告もあるため、過度な期待はせず、情報公開を待つ姿勢が大切です。
次回の受診時に、「このニュースを見ましたが、私の場合はどうですか?」と主治医に聞いてみましょう。
免責事項と参考情報
本記事は、最新の医学論文および治験情報に基づき情報提供を目的として作成されています。特定の治療法や薬剤の使用を推奨するものではありません。潰瘍性大腸炎の診断、治療方針の決定、および薬剤の選択については、必ず専門の医療機関で主治医と相談してください。自己判断による服薬の中断や治療の変更は、症状の悪化や重篤な合併症につながる危険があるため厳禁です。
参考リンク(一次情報):